hipjoint股関節

変形性股関節症とは

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、関節に変形や炎症が起こることで、痛みや機能障害を引き起こす疾患です。加齢とともに発症頻度が高まりますが、スポーツ選手でも過度な負荷やもともとの形態異常により発症することがあります。

 

特に日本人の場合、生まれつき股関節の受け皿部分が浅い「臼蓋形成不全」という形態異常が原因となることが多く、これを放置すると変形性股関節症へと進行する傾向があります。早期診断と適切な治療により、進行を遅延させ、スポーツ活動の継続が可能です。

原因

変形性股関節症の主な原因は以下の通りです。

股関節の受け皿が浅い場合(臼蓋形成不全)

股関節は球状の大腿骨頭が、骨盤の受け皿(臼蓋)にはまることで成り立っています。この受け皿が生まれつき浅いと、荷重が一箇所に集中してしまい、軟骨のすり減りが加速します。日本人に特に多く見られる形態異常です。

加齢による軟骨の劣化

年とともに関節軟骨が弾力性を失い、荷重時のクッション機能が低下することで発症します。

スポーツによる過度な負荷

ランニングやジャンプを繰り返すスポーツ、または股関節を繰り返し使う動作により、軟骨への負担が蓄積され、変形が加速することがあります。

過去の股関節のケガ

股関節の骨折や脱臼の後に、治った後も関節の形が歪んでいる場合、後年変形性股関節症が発症することがあります。

体重増加

体が重くなると股関節への負担が増え、軟骨のすり減りが促進されます。

症状

変形性股関節症の症状は、段階的に進行します。

初期段階

▸股関節の痛み(特に動き始める時や運動後)
▸足の付け根の痛み
▸スポーツ動作時の違和感
▸長時間の歩行後の痛み
▸階段の昇降時の痛み

進行した場合

▸何もしなくても痛みを感じるようになる
▸股関節が硬くなり、動く範囲が狭くなる
▸歩く時に足を引きずるようになる
▸スポーツができなくなる
▸立ち上がる動作が困難になる
▸股関節周囲の筋肉が弱くなり、脚が細くなる

スポーツ別の症状

▸ランナー:走行時の股関節痛、脚を蹴り出す時の痛み
▸サッカー選手:シューティング時の痛み、急に方向を変える時の痛み
▸テニス選手:急激な方向転換時の痛み、着地時の痛み

治療

変形性股関節症の治療は、進行の程度やスポーツを続けたいかどうかで異なります。

保存療法

変形性股関節症の治療は、ほとんどの場合、保存療法で改善が期待できます。まずは安静を保ち、痛みを引き起こす活動を控えることが重要です。痛み止めの薬の服用や湿布の使用、患部を冷やすことが炎症の軽減に効果的です。

 

理学療法士による運動療法が極めて重要で、お尻や太ももの筋肉を強化することで股関節を安定させ、軟骨への負荷を軽減します。股関節周囲のストレッチにより柔軟性を改善し、正しい走り方や着地動作の指導によりスポーツ動作を最適化します。さらに、体幹トレーニングにより全身のバランスを改善することで、股関節への過度な負担を防ぎます。

 

ヒアルロン酸注射により関節の動きを滑らかにすることも有効です。温熱療法や電気治療などの物理療法も血行改善と痛みの軽減に役立ちます。

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合や、症状が強く日常生活に支障をきたす場合には、手術が検討されます。

股関節の受け皿を深くする手術(臼蓋形成術)

 股関節の受け皿が浅い場合、骨を切って角度を矯正する手術です。若い人に行われることが多く、将来の変形性股関節症を予防できます。

人工股関節に置き換える手術(人工股関節置換術)

進行した変形性股関節症に対して、傷んだ関節を人工の部品に置き換える手術です。痛みが大きく軽減され、術後のリハビリテーションによってスポーツに復帰することも可能です。

臼蓋形成不全とは

臼蓋形成不全とは、生まれつき股関節の受け皿部分が浅い形態異常です。受け皿がしっかり大腿骨頭を覆えていないため、荷重が不均等になります。

 

本人に自覚症状がないことも多いですが、放置すると股関節への不均等な負担が続き、将来的に変形性股関節症へと進行する可能性があります。特にスポーツ選手の場合、早期発見と適切な管理が重要です。

原因

臼蓋形成不全の原因は以下の通りです。

生まれつきの骨の形

遺伝的要素により、出生時から股関節の受け皿が浅い状態です。日本人をはじめアジア人に多く見られます。

成長期に十分に発達しなかった

成長期に股関節の受け皿が十分に発達しなかった場合に起こります。

幼少期のケガの影響

 幼い頃の股関節脱臼などが、成長期の受け皿の正常な発達を妨げることがあります。

症状

臼蓋形成不全は自覚症状がないことも多いですが、スポーツをしている人では以下の症状が出現することがあります。

症状が出始めた場合

▸スポーツ動作時の股関節の違和感
▸足の付け根の痛み
▸スポーツの後に痛む
▸股関節がきしむ感じ

進行して変形性股関節症に移行した場合

▸日常生活でも股関節が痛む
▸股関節が硬くなり、動く範囲が狭くなる
▸歩くのが困難

治療法

臼蓋形成不全の治療は、進行度やスポーツを続けたいかどうかで異なります。

症状がない場合の管理

症状がない場合でも、定期的なレントゲン検査により受け皿の形に変化がないか、軟骨がすり減っていないかを確認することが重要です。

 

変形性股関節症への進行を防ぐため、予防的なリハビリテーションが推奨されます。お尻や太ももの筋肉を強化して股関節を安定させる筋力トレーニングや、股関節周囲の筋肉のストレッチにより柔軟性を保つことが大切です。正しい走り方や着地動作の練習、体幹トレーニングにより、股関節に優しいスポーツ動作を習得することで、将来の関節変形を予防できます。

 

無理のないレベルでスポーツを継続し、症状に応じて運動量を調整することも重要です。

症状が出始めた場合の治療

臼蓋形成不全で症状が出現した場合は、変形性股関節症に準じた保存療法を行います。お尻や太ももの筋肉を強化するリハビリテーションや、股関節周囲の筋肉のストレッチにより症状の軽減を図ります。痛み止めの薬の服用やヒアルロン酸注射、超音波ガイド下ハイドロリリースなども有効です。

手術療法

受け皿の浅さが高度で、症状が強い場合には手術が検討されます。

股関節の受け皿を深くする手術(臼蓋形成術)

骨を切って受け皿の角度を矯正する手術です。この手術により股関節が安定し、軟骨への荷重が均等になることで、変形性股関節症への進行を防ぎます。術後のリハビリテーションによりスポーツに復帰することが可能です。

股関節インピンジメント症候群とは

股関節インピンジメント症候群は、股関節の骨や軟部組織が衝突して挟まれることで、痛みが生じる疾患です。足の付け根の奥深くに痛みを感じ、特に股関節を曲げたり、内側に捻ったりする動作で痛みが強くなります。

 

スポーツ選手の中でも、サッカー、ホッケー、野球、ダンスなど股関節を繰り返し動かすスポーツで多く見られます。早期診断と適切な治療により、スポーツ復帰が十分可能な疾患です。

原因

股関節インピンジメント症候群の主な原因は以下の通りです。

股関節の骨の形態異常

股関節の骨盤側や大腿骨側に突出した部分があると、関節を動かした時にこの突出部分が周囲の軟部組織を挟むようになります。

股関節周囲の筋肉の柔軟性低下

股関節周囲、特に腸腰筋や大腿筋膜張筋などの筋肉が硬くなると、股関節の動きが悪くなり、骨や軟部組織が衝突しやすくなります。

スポーツによる繰り返しの動作

股関節を繰り返し動かすスポーツ動作により、衝突が繰り返されることで、軟部組織に炎症が起こります。

不適切なスポーツフォーム

正しくないフォームでスポーツを行うと、股関節の動きが不自然になり、衝突が起こりやすくなります。

症状

股関節インピンジメント症候群の症状は以下の通りです。

初期症状

▸足の付け根の奥深い痛み
▸スポーツ動作時の違和感
▸股関節を曲げた時の痛み
▸股関節を内側に捻った時の痛み

進行症状

▸スポーツ中に痛みが強くなる
▸痛みのため動作ができなくなる
▸股関節がきしむ感じ
▸スポーツのパフォーマンスが低下
▸股関節周囲に腫れや熱感を感じることもある

スポーツ別の症状

▸サッカー選手:キック動作時の痛み、体を捻る動作での痛み
▸ホッケー選手:スティック操作時の痛み
▸野球選手:投球時の痛み、走行時の痛み
▸ダンサー:開脚や回転動作での痛み

治療法

股関節インピンジメント症候群の治療は、症状の程度やスポーツ活動の希望に応じて異なります。

保存的治療(手術をしない治療)

股関節インピンジメント症候群の治療は、ほとんどの場合保存療法で改善が期待できます。まずは安静を保ち、痛みを引き起こす活動を控えることが重要です。痛み止めの薬の服用や湿布の使用、患部を冷やすことが炎症の軽減に効果的です。

 

理学療法士による運動療法が極めて重要で、股関節周囲、特に腸腰筋や大腿筋膜張筋のストレッチにより柔軟性を改善します。お尻や太ももの筋肉を強化することで股関節の安定性を向上させ、衝突を減らします。不適切なスポーツフォームを改善し、骨や軟部組織が衝突しない動作パターンを習得することが重要です。

 

ヒアルロン酸注射により関節の滑走性を改善することも有効です。温熱療法や電気治療などの物理療法も血行改善と痛みの軽減に役立ちます。

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合や、症状が強く日常生活やスポーツに大きな支障をきたす場合には、手術が検討されます。

股関節鏡視下手術

内視鏡を使用して、衝突を引き起こしている骨の突出部分を削除したり、挟まっている軟部組織を処置したりします。皮膚への切開が小さく、体への負担が少なく、スポーツ復帰も比較的早期に実現可能です。

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